ボーン・アイデンティティ(The Bourne Identity)(2002)

【090/100】DVDで。

意識を失い海を漂流していたところを漁師に助けられたジェイソン・ボーンが、失った記憶を取り戻すために旅立つも無意識に奮った護身術のせいで警察に追われたり、ボーンの正体を知るCIAに追われたりするサスペンス・アクション映画。
記憶喪失だが超一流の戦闘術を持つボーン、ボーンの事情を知らないCIAなど、不完全な情報を抱えたプロフェッショナルが持てる能力と手法を尽くして目的を果たそうとする思惑の交錯や対決が主な魅力で、とりわけ最終的にはことごとく相手を出し抜くことになるボーンのそれが抜群に魅力的。その中でも特に格闘シーンはスピーディかつ生々しい迫力があってすげー格好良い。カステル戦とかマジたまらんす。
で、ほぼ全編何かしらの形でそういう「プロのやり方」が披露されるシーンなので、終始「おーかっけー」「なるほど、わからん」とか感心しながら観ている内に、気付けばボーンの正体やCIAの目的にまつわる事実が次々判明してサスペンスとして盛り上がり、マリーとの交流の中でボーンが徐々に個人としての感情を露わにしてそれがまた素朴で良い人ーな感じなもんだから感情移入なんかも誘われたりして、その二つが一体となるクライマックスでは……こう、なんだ、泣けるよね。
そして、どんでん返しに次ぐどんでん返しでクライマックスを終えた後は、実にストレートなハッピーエンド。なんか、あんまりハッピーエンドな映画って観てなかった気がするけど、ハッピーエンドいいわぁ。「物語はハッピーエンドじゃなきゃイヤン」という人の気持ちがほんの少し分かりそうになってしまった。