映画「BECK」の残念なお知らせ(観てもないのにプチネタバレ?注意)
■結局観ないことになりそうな件
ロキノン臭漂うロック漫画を原作とする映画「BECK」が、明日? だっけ? 遂に公開となるらしい。
映画化発表当初は、どうせロクなものにならないと思いつつも骨くらいは拾ってやるぜ的に観に行こうかと思っていたけど、どうやら観ることはなさそうだ。
■最初は観に行こうと思ってたよ!
というのも、俺の中の、映画「BECK」に関する多少なりともポジティブな認識は、BECK映画化決定当時のニュース記事(現在は閲覧不可)における下記の記述≒製作側の発言に拠っていた。
漫画では音で聴けなかったBECKの演奏シーンが映画の見せ場のひとつ。劇中の演奏曲はバージョン違いも含めてオリジナルの30曲を制作中。製作側は「音楽は日本映画の中でも一番のレベルを目指す」とこだわる。
BECKが映像化されるという時、既読ファンの多くが一番気にするのは「音楽どうなるの」だと思う。とりわけ、「コユキの歌はどうするの」だ。
上記の製作の言は、そこに真っ向から向き合う気概を感じるもので、例えキャストがアレだろうが主人公が竜介だろうが、これは付き合わんとなぁ、と思った次第。
■アニメ版はどうだったか
ところで、BECK映像化の先輩であるアニメBECKは、アニメ作品としては、いろいろゴタつきがあったものの、終わってみれば悪くなかったという評価が多かったように思う。気のせい?
一方で「既読ファンの多くが一番気にする」音楽についてはもう駄目駄目で、曲としては「コユキが歌う場合Oasisっぽいんじゃね?」というよく見かける妄想に真っ向から付き合った「Slip Out」と「千葉がラップする場合RATMっぽいんじゃね?」というそこそこ良く見かける妄想(レッチリの方が多いかな)に真っ向から付き合った「By Her」が健気に思える以外はどうしようもない。
コユキの声は
という破綻した三段論法で選ばれたとどっかで見たけど、結局のところ一山いくらの凡ボーカルが選ばれ、真帆と歌うシーンでその凡っぷりが浮き彫りになっててなかなか笑えた。
なお、千葉については特に言うことなし。原作でもフリースタイル大会とHUMAN FLYの詞以外で特に優れてると言われてた記憶ないし、声担当の人も日本語ラップの標準的なレベルではあったと思う。「何故歌わせたし」とは思うも、今もうそんなミクスチャって時代でもないし……。
■閑話休題・映画BECKの音楽の顛末
話を戻す。
前情報によると、映画BECKの音楽は以下のようになったらしい。
- オープニングテーマはRed Hot Chili Peppersの「Around the World」
- エンディングテーマはOasisの「Don't Look Back in Anger」
- コユキが歌う箇所は声なし
上二つの情報が出た時も、映画「BECK」が音楽映画でなくなった可能性を示唆しているようで微妙な気持ちになったもんだけど、一番下は酷い。これはない。「BECKの音楽」に真っ向から向き合うどころか敵前逃亡するとは。
(ちなみに、ここで書いてることは「音楽は日本映画の中でも一番のレベルを目指す」という発言と実情との対比であって 原作者の意向がどうとかは微塵も関係ない のであしからず。原作者がそう言うのは分かるし、だったら最初から音楽にこだわるようなこと言わなければいいんである。)