「人の本性」

今さー、他の人の方々が書かれたミストのレビュー読んでて思ったんだけどさぁ。
「人の本性」っていうじゃん? ミストのレビューとかでも、あの映画の中での人々の所業を単に「本性」とか呼んでる人がちらほら見られたんだけども。
例えば、こんなコピぺがある。

横浜での話だったと思う
中学生くらいの男の子と母親が信号待ちをしていた
見るからに大切に育てている息子
でもマザコンチックであったり、教育ママ的でもなく、
微笑ましい関係が見ただけで判る、そういう親子
 
信号待ちをしていた親子に車が突っ込んだ
車は息子だけを轢き、母親は呆然と立ちすくんでいた
 
周囲の人々が、車の下敷きになった息子を助け出し、救急車を呼び、
辺りは人々が取り囲み騒然とした
 
息子の腕はちぎれ、足は関節がいくつも出来たように折れ曲がっている
その顔は苦痛に歪んでいる
助かるかどうかは判らないが、とりあえず今は生きている
 
すると母親が突然叫んだ
「殺しましょ、ね、殺しましょ。このまま生きていても苦しいだけだし、
腕もどっかいっちゃったし、足も変だし、殺しちゃいましょうよ、ね、ね、ね!!」
 
周囲の人々に訴えかける。
救助活動をしていた市民が母親に「お前それでも母親か!」と言っても
「殺しましょ。もう一回車で轢いてよ!」
 
その後は救急車が来て、どうなったかの顛末は判らない

この文章についての感想観ると、多くは「そりゃ目の前でいきなり子供が死んだらパニックにもなるだろ。母親の人格の問題じゃない」って感想なんよ。まぁ「実は計算高く生死それぞれの場合のリスクを天秤に乗せている」って人もそれなりにいるし、文章読んでその可能性も否定できないわけだけど。
なんで映画「ミスト」での人々の所業は「パニック」じゃなくて「本性」*1と呼ぶんだろう。
と、ちょっと思った。

*1:ちなみに、俺がミストの感想で書いた「本性」は、弁護士とかが主人公に対して露わにした、平時から抱いていた密かな不満や差別に関する認識の話です、念のため。