インセプション(Inception)(2010)

DVD観賞。

インセプション Blu-ray & DVDセット (初回限定生産)

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観た。面白かった。
まず「夢の世界」に説得力を持たせる映像の迫力が凄い。なんかこの映画の魅力の5割くらいはこれじゃないかって気がする。どうやって撮ったかとかはともかく、「確かに現実の世界がねじ曲がってる」と思わせる画の説得力があるからこそ、「夢の中で他人の意識に干渉する」っていう仕事内容にも興味を抱けたように思う。設定と上手く絡んだ主人公のドラマもなかなかで、作中の状況を的確以上に魅せてくれる演出や音楽の力もあって最後までガッツリ楽しめた。
設定が多少入り組んでるけど、序盤から説明が丁寧なので迷わずついていける。ダークナイトもそうだったけど説明演出いい感じよねこの監督。
残念だった点もいくつかある。1つはアリアドネの訓練シーンでやったほど自由に夢の世界を弄るシーンが、肝心の仕事シーンではほとんどないこと。受動的な理由での変化も、無重力と第4階層の景色を除けば他の映画でいくらでも観られるようなものばかりだったし。
2つ目は、第3階層(雪山)入った辺りからあんまり面白くなくなるところ。「え、ネタ切れ?」って心配になるレベル。この映画に特有の描写が激減して普通のアクション映画みたいになるけど、そういう意味ではそれほど魅力的じゃないのがねー……。
3つ目は、コブが全然一流のプロに見えないところ。コブが仕事に貢献してると思える点って「仕事道具を持ってること」と「夢の世界に詳しい」ことくらいで、本番の仕事になると「こいつなんでいるの」感が本当に半端ない。おまけに奥さん絡みで仲間に迷惑掛けまくるわ、「詳しい」が取り柄なのに嘘はついてるわで、奥さんとの悲劇的なドラマ以外で感情移入できる点が全然ないのはいかがなもんなの。
とはいえ、どれも些細とは言わないけど最終的には魅力の方が勝ったようで、前述の通り最後まで楽しめた。