【確率・統計っぽい】トーナメントの順位と実際の実力について適当に調べる

オリンピックの時期なので、俺も大好きなトーナメント方式の性質=トーナメント上の順位と実際の実力の関係について適当に調べたりして書く。

■問題

8人の選手でトーナメント表に基づいて試合を行う。トーナメント表は完全に無作為に作成され、各試合は選手同士の実力差によってのみ勝敗が決するものとする。互角の実力・体調・ハプニングなどは一切考慮しない*1
試合は以下の順で行う。

  1. 準々決勝戦(8人が2人ずつ4組になってそれぞれの組で勝者を決する)
  2. 準決勝戦(準々決勝戦で勝った4人が2人ずつ2組になってそれぞれの組で勝者を決する)
  3. 勝戦(準決勝戦で勝った2人が試合をして勝者を決する)
  4. 3位決定戦(準決勝で敗れた2人が試合をして勝者を決する)

この結果、8人は以下のいずれかの状態になる。

  • A. 事実1位(決勝戦で勝った選手)
  • B. 事実2位(決勝戦で敗れた選手)
  • C. 事実3位(3位決定戦で勝った選手)
  • D. 事実4位(3位決定戦で敗れた選手)
  • E. 初戦敗退_実質2位?(準々決勝戦でAに敗れた選手)
  • F. 初戦敗退_実質3位?(準々決勝戦でBに敗れた選手)
  • G. 初戦敗退_実質4位?(準々決勝戦でCに敗れた選手)
  • H. 初戦敗退_実質5位?(準々決勝戦でDに敗れた選手)

このA〜Hが、実際の実力順では何位だった可能性が高いのか、とかについて考える。

■調べ方

〜トーナメントの単純化

各試合は選手同士の実力差によってのみ勝敗が決するものとする。互角の実力・体調・ハプニングなどは一切考慮しない。

↑より、トーナメントの進行は以下のように単純化できる。

  • 各選手は1〜8のいずれかの「実力値」を持つ。同じ数字を持つ選手はいない。
  • 試合の際は、両選手の数値を比較し、値の小さい方を勝ちとする。
〜調査方法〜

トーナメント表は完全に無作為に作成され

↑より、8人の組み合わせは完全にランダムであるとする。
よって、8人をトーナメント表に当てはめる全てのパターンについてA〜Hの順位情報の統計を取れば、それが問題の答えとなる。

〜全パターン数〜

「8人をトーナメント表に当てはめる全パターンを網羅する」行為は、「8人の順列の全パターンを網羅する」行為に等しい。
8人の順列の全パターンは、 8×7×6×5×4×3×2×1 = 40,320 通りとなる。
(ただし、トーナメントの各試合の行われる順番自体は問題にならないため、誰か1人の位置を固定してもトーナメントのパターンを取りこぼすことはない。この場合、パターン数は 7×6×5×4×3×2×1 = 5,040 通りとなる。実際の調査もこちらで行った)

■結果

※一度計算を誤っていたので、修正しました。
以下が、8人トーナメントの全パターンを網羅した結果の順位統計。

名前 A B C D E F G H
説明 事実1位 事実2位 事実3位 事実4位 実質2位 実質3位 実質4位 実質5位
順位 1位 2位 3位 4位 -- -- -- --
実力1位率 100% 000% 000% 000% 000% 000% 000% 000%
実力2位率 000% 057% 028% 000% 014% 000% 000% 000%
実力3位率 000% 029% 043% 000% 014% 010% 005% 000%
実力4位率 000% 011% 023% 023% 014% 015% 013% 000%
実力5位率 000% 003% 006% 034% 014% 018% 019% 006%
実力6位率 000% 000% 000% 029% 014% 019% 021% 017%
実力7位率 000% 000% 000% 014% 014% 019% 021% 031%
実力8位率 000% 000% 000% 000% 014% 019% 021% 046%
平均順位 1.0位 2.6位 3.1位 5.3位 5.0位 5.8位 6.0位 7.2位

……面白いのは、DとEの平均実力順位が逆転してるくらい?
3位決定戦で負けちゃうと、実力5位以下の可能性が70%以上……。男子サッカーがんばれ!(棒

*1:現実と比較すると馬鹿馬鹿しいくらいの単純化だけど、雌雄を決するのにトーナメント表を用いるってことは、この見立てを肯定してるってことと同じよね。