思った以上に早くコンピュータが将棋で人間の上に立ちそうな件

電王戦。第4局の結果だけ見て書こうと思ったらもう第5局も終わってた……(遅
正直、第4局の結果(引き分け)とその経緯を見た時点で「あー、もうコンピュータの方が上なのか」と思ったので、第5局の結果は駄目押しっすな。
将棋っていうゲームというか競技は、一局一局が勝負である以上に将棋自体の探求になってる、知的研究対象としての側面が魅力の根幹にあるとか思う。で、プロ棋士は天才でその宇宙を最前線で開拓するフロンティア……みたいなロマンじみた*1認識が、彼らの一手一手に熱中させるし、「ミスなのか?」「新展開なのか?」「ミスだとしても新展開に転がっていかないか?」と期待させる。
つまりは、将棋っていうゲームの取り得る状態空間こそが魅力の根っこにある。
それが、自動車が生まれても廃れない陸上競技なんかとの大きな違い。
陸上競技の根っこにあるのは、運動することの本能的な快楽と「我々人類は一体どれほどのことができるのだろう」という興味であって、つまりは人間が中心の競技になってる。
だから自動車や飛行機が作られようが陸上競技の魅力はビクともしない。そもそもそんなものができる前から投げた石や弓矢やそこら辺の動物の方が速かったはずだしね。
将棋みたいなゲームでは、そもそもそれが高度な頭脳戦であるという認識自体が、将棋っていうゲーム空間の底知れなさに対する信頼を前提にしている。
このままコンピュータが将棋を暴き続ければ、競技としての魅力は大暴落していくんだろうね。棋士に対するロマンとか羨望も損なわれていくんだろうし。
学生の頃からずっとそれを見たかったはずなのに、いざそれが目の前に迫ってると電王戦第4局で知った時に物凄いショックを受けたのが我ながら不思議だった……とかそんな近況を書きつつ、終わり。

*1:まあ概ね事実なんだけど。