アベンジャーズ観てきた

初の3D映画鑑賞。

■はじめに

以下の感想は、アベンジャーズが俺にとって初めての3D映画であったことがネガティブに作用していることを踏まえて読まれた方がよいかと思います。読んでる人いるか知らないけど。

■大雑把な感想

面白い映画、だと思う。
事前に公開されてた各キャラのピンの映画を観てれば分かることだけど、どのキャラにも「強い正義の味方」というだけに留まらない人格や事情、思惑がしっかりとあって、それゆえの衝突やすれ違いも序盤にしっかり描かれててそれはそれで見応えがある。つっても、物がアベンジャーズだけに後でチーム一丸となるのはほぼ確定なので、言ってみればツンデレヒロインのツンのところ観てるようなアレではあるんだけど。(とか言いつつ、俺は所謂ツンデレがヒロインであるような諸作品はさっぱり観たことがないんだけど。)
最大のウリであろうアクションシーンも良い感じ。めちゃくちゃ強いヒーローが一堂に会している映画だけに派手なシーンが迫力あるってのもそうなんだけど、キャプテンアメリカはじめ割と人間寄りのヒーローとか、ヒーローというほどでもないエージェントとかにもキッチリ見せ場があるので、地味めなアクションもド派手なアクションも楽しめる。
シリアスな展開にもちょくちょく差し込まれるギャグあり*1、ちょっとしたサスペンスもありで、夢詰め込める感じで頭空っぽにして楽しむにはピッタリの楽しい映画、なんじゃないかなぁ。

■気になったこと

〜伏線回収してくれ編〜

↑で「衝突やすれ違いも序盤にしっかり描かれてて」と書いた通り、作中でヒーローたちは最初から団結してるわけではない。それだけに、最初はいがみ合うヒーローたちの心がやがては一つになっていき……という展開を期待してドキドキワクワクしていたわけだけど。
なんか気づいたら一丸になってた。
一応キッカケになる事件はあったし、これで一丸になるんじゃないかみたいな説明めいた台詞まであったし、非常時なのでつべこべ言ってる間もなく的な流れもあったんだけど、いやそこはもっとしっかりドラマしてくれよと思わずにはいられなかった。残念。
ロジャースの「スーツを着ろ」の意味がすり替わるとことかはよかったけど。
あと、スタークがロジャースを「一番の役立たず」呼ばわりする場面とかもあって、うおーこれどこで回収するんだろと思ったら結局回収されなかった。残念。
他にも、序盤でキャプテンアメリカの新ユニフォームにロジャースが難色を示して「古き良きものが必要になることもある」みたいな事を言われる場面があった後、終盤にキャプテンアメリカが警官に避難指示を出して「なんでお前の言うことなんか聞かなきゃいけないんだ」とか返される場面があって、「おっ、ここで『古き良き〜』のアレが回収されるのか!」と思ったら、直後に襲い掛かってきた敵をキャプテンが殴り倒してそれを見た警官が急にキャプテンの指示に従い始めるっていう、「味方らしいから従った」のか「敵に回したらやばそうな強さだから従った」のか分からない、どっちにしてもありきたりだし大して燃えない流れで終わったりした。残念。

〜3Dって……編〜

最初に書いた「3Dのネガティブな作用」は後述するとして、引きの画がたまにミニチュアにしか見えなかったのが果てしなく残念。

〜CMいい加減にしろ編〜

終盤の感動的なシーンが事前にCMで見た画だった。もう終盤も終盤なので、かなり早い段階から「ああ、あれがあーなってあのシーンになるのか」と分かってしまって、多少サプライズな効果もあるシーンだったと思うんだけどかなり台無し。CMいい加減にしろ。

〜吹替も微妙編〜

洋画鑑賞においてはしばしば「字幕は吹替に比べて情報が欠落する」という指摘をされることがあるけど、今回起こったのはその逆ケース。
事前に公開されてた予告編映像の中に、キャプテンアメリカがハルクに指示をだすシーンがある。

"Hulk......Smash!"

原作か映画を観てれば誰でも分かることだけど、ハルク・スマッシュってのはハルクの代名詞的な必殺技というか口癖というかそういうもん。インクレディブル・ハルクでも必殺技っぽい感じでクライマックスに言われてたその台詞を、作戦指示という形で取り入れた気の利いた燃える台詞なわけだけど、吹替での台詞は

「ハルク。……暴れろ」

で、全然そんなニュアンスはなくなってしまった*2
これが字幕版なら、仮に字幕に「ハルク。暴れろ」と書いてあったとしても、音声聴けば日本人にだってそれがハルク・スマッシュに掛けた台詞であることが分かるはずなのに、吹替版では音声自体が別物になっていることで台無し状態。
V・フォー・ヴェンデッタでも、Vの名乗り口上は英語分からなくても病的なまでに音韻が揃ってることは聴けば分かるのに吹替では台無しだったりするし、吹替って台詞の表面的な意味以外は全部台無しになるよね。

■3Dのネガティブな効果

誰にでも起こるって話ではないけど。一緒に行った知人は満足してたし。
まず、俺は視力が低い(0.2〜0.3)のに矯正具を一切使用していない。理由は鬱陶しいからだけど、これだと遠くのものとか映画のスクリーンとかを観るとモロにぼやけるので、そういう時は目を細めて観ることになる。ダークナイトライジングを観た時はそれで何の問題もなかった。
で、どうもこの状態だと3Dメガネを掛けても映像の焦点が合いにくいらしい。動きの乏しいシーンとかは普通に見られるけど、激しいシーンとかこちらに物が迫ってくるシーンなんかでは焦点合わせが追いつかず、物がアクション映画だけに本編の大半がピントの合わない状態で終わってしまった。
故に心からのめりこんだシーンはほとんどなくて、今回の感想にはそれが大きな影を落としているかと思う。
とりあえず、もう二度と3D映画は観ねー!

*1:ラストシーンとか最高す。

*2:ハルクの性に合ったシンプルな指示が的確に機能する面白さは残ってるにせよ